お知らせ

2022.12.27 公演終了のご報告

皆々様のおかげで、
三銃士企画第2弾、
『歌妖曲〜中川大志之丞変化〜』は、
一昨日、無事に大千穐楽を迎えることが出来ました。
ありがとうございました。

大阪新歌舞伎座においての48回目の公演は、
満員御礼、大盛況になりました。
僭越ではありますが、有終の美を飾ることが出来たと自負しています。

今作、いろいろなことが思い出されます。

まだ残暑が残る9月中旬に稽古を開始、
晩秋、東京公演が開幕、
冬に入り、福岡公演から大阪公演へと地方公演が続きました。

福岡公演と大阪公演の合間には、
50年近くにわたり放送されている、
フジテレビ「2022FNS歌謡祭」から桜木輝彦へ出演のオファーがあり、
主題歌「彼方の景色」を唄わせて戴きました。
日本の演劇史上、
新作書き下ろしプロデュース作品内に登場する架空の歌手が、
実体を伴い始めるという前代未聞のことが起きました。
このニュースは、カンパニー全員が、歓喜の声を上げました。

そして、
今カンパニーは、
中川大志君を始めとした全キャストと全スタッフの尊愛と誠意を持って一枚岩となり、
また、何よりもお客様から頂戴致した愛によって、全公演を完遂致しました。
まさに、中川大志と愉快な仲間達でした。


三銃士企画は、
全48回にわたる第2弾の公演を経て、
第1弾『両国花錦闘士』と併せて、通算100公演を全うしました。
このことは、我々、プロデューサー冥利に尽きます。

改めて、申し上げます。
偏に、作品を愉しんで戴けるお客様あってこその我々です。

ありがとうございました。

三銃士企画は、
芸能の神様が味方をしてくれているゆえ、
第2弾まで無事に続けて来られたのだと確信します。
未来永劫でありたいと、切に思います。


それでは皆様、
またお逢いする日まで、ご機嫌よう。

神羅万象に多謝。


2022年12月27日(火)
「三銃士企画」
プロデューサー一同

2022.11.18 【開幕レポート番外編】
休憩時間も明治座で楽しみ尽くそう!『歌妖曲~中川大志之丞変化~』幕間の過ごし方

楽しいお芝居は幕間もまた楽し。11月6日に初日の幕が開き現在絶賛上演中の三銃士企画第二弾『歌妖曲〜中川大志之丞変化〜』を100パーセント楽しむための〝明治座の歩き方〟をご紹介します。

さて幕間。明治座上演の演目では、通常の演劇よりやや長めの30分の休憩時間にお食事や軽食、ショッピングをお楽しみいただけます。

 5階・4階(同・二階席)に設けられた食堂では、定番の幕の内弁当(幕と幕の間に食べるから幕の内って、ご存知でした?)
そして、本公演限定メニューとして、物語にちなんで名付けられた「鳴尾一族御膳」(大海老天丼。ゴージャス!)と「蘭丸一族弁当」(三色ちらし弁当。カラフル!)の2種類もご提供中。限定メニューはインターネット予約のみ(定番メニューはお電話でも)となりますので、ご予約はお早めにお願いします。

 2階の「喫茶ラウンジ」と1階特設の「カフェ歌妖曲」でも、昭和テイストのドリンクや軽食など、特別メニューを展開中。「喫茶ラウンジ」でたのしめるオリジナルドリンク「鳴尾定〜なるおさだむ」と「蘭丸杏〜らんまるあん」は、黒と赤のイメージカラーを表したコク深く爽やかなノンアルコールカクテル。幕間のリフレッシュに最適と評判です。
1階の「カフェ歌妖曲」には、カレーやナポリタン、クリームソーダなどのレトロな喫茶メニューの数々が。昭和カルチャーに造詣の深い三銃士企画〝三男坊〟プロデューサーこだわりの味わい、どうぞご堪能ください。すべて11月30日までの『歌妖曲〜中川大志之丞変化〜』公演期間内のみのご提供です。

 さらに、一階客席のある3階には、お菓子に海鮮、雑貨など、個性あふれる店舗が軒を連ねた「明治座横丁」、4階にもお土産物やお菓子などを扱う売店があり、お買いものとそぞろ歩きを楽しめます。
もちろん、『歌妖曲〜中川大志之丞変化〜』公演オリジナルグッズも、劇場内特設売店で発売中。初日は混雑でご迷惑をおかけしましたが、ひと味違ったおしゃれさで注目を集めています。オリジナルグッズはオンラインショッピングサイト「東宝モール」と「イーオシバイドットコム 」でも販売中ですので、そちらもぜひご活用ください。

 目とお腹を満たして、さあ、物語の世界へ!


TEXT:大谷道子

2022.11.18 《いいじゃないか……上出来だ!》
祝・開幕!『歌妖曲~中川大志之丞変化~』初日レポート


一族から抹殺された男の歌と殺しの復讐ショーが、今、始まるーー。2022年11月6日、ついに開幕した三銃士企画第二弾の新作音楽劇『歌妖曲〜中川大志之丞変化〜』。本格的な舞台に初挑戦の俳優・中川大志さんを座長に豪華キャスト+生バンドが揃い、白熱のステージが繰り広げられました。興奮と感動に包まれた初日の様子を、緊急レポート。運命の男・鳴尾定&桜木輝彦、明治座に降臨! です。


 晩秋の一日、その日の空は一座の門出を祝福するように晴れ渡っていました。
 東京・浜町の明治座。劇場の脇には、主演の中川大志さんをはじめとするキャストの幟旗(のぼりばた)が、澄んだ晩秋の風を受けてはためいています。明治6(1873)年に開場して以降、大正、昭和、平成、令和と、4つの時代にわたって娯楽の殿堂として数々の演目とスターを世に送り出してきた大劇場。ここで今夜、新作音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』が開幕するのです。

 中に入ると、開演1時間前にもかかわらず場内はすでに大変な熱気。密集を避け、会話を控えながらも、チケットを手に来場されたお客さまの公演への期待が場内を満たしているのでしょう。座席表を確認したり、広いロビーをそぞろ歩いたりと、特別な一日の華やぎを味わいながら、それぞれに開幕の時を待ちます。
 初日のロビーでひときわ賑わっていたのは、公演オリジナルグッズの販売所。おお、すでに長蛇の列! 写真とインタビュー、読みものと公演のエッセンスを注ぎ込んだ美麗な公演プログラム(必携!)をはじめ、中川大志さん演じる作中人物・桜木輝彦のLPレコード『彼方の景色』。そのほか、Tシャツ、バッグ、ブロマイド等々。
 そして、忘れちゃいけないのが、公演オリジナルの「Teruhiko Sakuragi」ネームのペンライト! 昭和の歌謡界を舞台にした今回の公演では、歌謡ショーのシーンなどで客席から光の声援を送ることのできる時間があるのです(細則あり。くわしくは劇場内の掲示ををご覧ください)。

 お客さまだけでなく、さまざまな準備を重ねて今日この日を迎えたスタッフにとっても、初日は特別です。昨日までの舞台稽古とゲネプロ(最終リハーサル)で作品の仕上がりは確認しているものの、舞台はお客さまが入ってはじめて完成するもの。どんな反応をいただけるのか、果たして……と期待と緊張は膨らむばかり。きっと、幕の向こうにいる座長・中川大志さんをはじめとするキャストの面々も、場内のどこかにいる作・演出を手がけた倉持裕さんも、三銃士のプロデューサー3人も、同じく胸おどるひとときを過ごしていることでしょう。

 開始5分前のブザーが響き、客席に着いたお客さまは、静かに開幕の瞬間を待って……いたところへ、割れるような雷鳴と閃光! 初日のお客さま、驚かせて申し訳ありませんでした。これが、本公演の開幕の合図。場内は徐々に闇に包まれ、激しく打ち付ける雨音がこだまします。

舞台写真

 ステージ上に現れたのは、昭和40年代のとある場所にある診療室。徳永ゆうきさん(別の役では歌声も披露)演じる白衣の闇医者が、診療椅子の上にいる誰かと向き合っています。振り乱した長髪に、歪んだ容貌。手足の動きも、どこか常人とは異なります。
 この男こそが、本作の主人公・鳴尾定。芸能一族・鳴尾家に生を受けながら、その禍々しい容姿から忌み嫌われ、存在を隠されてきた男を、あの中川大志さんが演じているのですから、驚きはひとしおでしょう。水を打ったように静まりかえる場内。ふたたびの閃光に照らされた定の横顔には、すでに恐ろしいほどの殺気が漂っています。
 闇医者の荒療治によって体中を矯正し、絶世の美男子に変身しようとする定。叫び声、闇の中から響く胎動、そしてーー。

《今、桜木輝彦がデビューする……!》
 力強い宣誓とともに、舞台上は一転、光溢れる歌謡ショーのステージに。ドラムとギター、ベースに管楽器で編成された生バンドのキレのいい演奏に乗りつつ、女性ダンサーを従え登場したのは、その名の通り光り輝く、我らが桜木輝彦! 中川さんが扮するもうひとりの主人公が、晴れやかな笑顔で『彼方の景色』を歌い、踊ります。
 幼少時からのダンスのレッスンで磨いた身のこなしと生来の澄んだ声質、さらに1年半のボイストレーニングで培った歌唱力は、あっという間に場内を魅了。ペンライトの灯は、瞬く間に光の波となって明治座の場内を覆い尽くしました。ゲネプロ時よりもさらに躍動的な中川さんのステージングは、場内のこの熱気を受けてのこと。桜木輝彦、圧巻のデビューです!
 
 復讐劇の幕が切って落とされ、舞台上には物語の登場人物が次々と現れます。
 定に壮絶な憎しみを向けられる一族の長で芸能プロダクション・鳴尾プロ社長の鳴尾勲役の池田成志さん。いやらしさと威厳を同居させられる人は、演劇界広しといえどもこの方を置いて他にありません。定とは母親を異にする長女でトップスターの一条あやめ役の中村 中さん。思わず手を振り喝采を送りたくなる華々しさは、出てきた瞬間から舞台を照らします。一族の愛情を一身に浴びる定の兄で新進歌手・鳴尾利生役の福本雄樹さんは、初々しい存在感で持ち歌『朝陽の学園』を熱唱……と、鳴尾家の人々はいずれもキャラの立った人物造形。愛情も憎しみも濃く、あやめの夫で映画監督の峰田道明(福田転球さん・演)、利生の婚約者・虹子(四宮史桜さん・演)、あやめの娘・希子(中屋柚香さん・演)、勲を支える裏社会に通じたフィクサー、山内圭哉さん演じる大松盛男(軽妙なのに恐ろしい! 絶対に怒らせてはいけないタイプ)ら、周囲のもつれた人間模様が徐々に明らかになります。
 喪服姿で登場するのは、蘭丸杏役の松井玲奈さん。華やかな笑顔を封印した、氷の刃のような存在感にハッとさせられます。鳴尾プロの横暴で衰退したプロダクション社長を父に持つ彼女の宿敵もまた、勲。彼女は定、そして桜木と手を組み、ともに復讐を遂げようと誓い合います。2人の側には、野心をたぎらせる鉄砲玉の極道、浅利陽介さん扮する徳田誠二の姿も。浅利さんもまた、普段の明るいキャラクターを感じさせない翳りを全身にまとっています(激しい立ち回りにも注目!)。

舞台写真

 桜木がスターダムに上り詰めていくと同時に、定による鳴尾一族への復讐計画は着々と進行。因縁の物語に、きらびやかなショー、登場人物それぞれの激情を乗せた歌唱やダンスが織り込まれ、ボルテージは上がる一方。
 さらに、昭和の歌謡界の裏舞台の様子がサイドストーリーとして進行するのが、本作のもうひとつのお楽しみ。お調子者の大物司会者・森住富士夫(玉置孝匡さん・演)、自称・女優で気の強い女性司会者・今井理香(香月彩里さん・演)、職人肌の演出家・門松治(福田転球さん・演)、わがままな面々に振り回されるプロデューサー・八木原圭子(長田奈麻・演)などによる、思わず笑いを誘うやり取りと端々に滲むエスプリは、これぞ劇作家・倉持裕の真骨頂! 明治座の広い舞台を、毒気のある笑いで満たしていくさまにしびれます。
 あっという間に時が過ぎ、第1幕のラストは、ある歌手の大ナンバーに乗せて表現される人物絵巻。愛と憎しみの咆哮と怒涛の音楽が唸りを上げて場内を包む、ああ、これぞ音楽劇! という醍醐味に満たされた、圧巻のひとときでした。
 
 休憩を挟んで、第2幕の幕開き。ここからは定と杏が、周到かつ冷徹に仕組まれたプランによって鳴尾家の人々を次々と復讐の毒牙にかけていきます。
 『リチャード三世』を下敷きにした物語ですから、情け容赦は無用の非情ぶり。そんな中で、次第に曖昧になっていく定と桜木の境界線、その心情の揺れを、中川大志さんは実に大胆かつ細やかに表現。驚くほどの求心力でひとときも観客の注意を逸らさないどころか、憎々しい振る舞いすら次第に哀切にすら思えてくるほど。完全に客席を味方につけていきます。

 そして、辛く苦しい復讐劇なのに、ワクワクしながら身を乗り出して(イメージ。後ろのお客さまのため、あくまで座席に背中はつけたままで)観てしまうのは理由があります。
 ひとつには、楽曲の多彩さ。情念たっぷりの正統派歌謡曲から、演歌、アイドルソング、デュエット、ポップス、ロックテイストまで、作曲家・和田俊輔さんが手がけたオリジナルの昭和歌謡は、どの曲も1回聞けば脳に刷り込まれること請け合いのキャッチーさ。帰り道には、しぜんと歌い出せそうな勢いです。ちなみに、公演プログラムには倉持裕さんと中村 中さんが本作のために紡いだ全曲の歌詞をフル掲載。〝おうちで歌妖曲〟も、これでバッチリです。
 さらに、お一人あたり6役から7役、多い方ではなんと9役をこなしつつ歌い、踊り、アクションを決める10名のアンサンブルキャストの奮闘たるや! 一度では目に収めきれないかもしれませんが、二度、三度とご覧になるうちに、必ずあなたの〝推しキャスト〟が見つかるでしょう。

 舞台はいよいよフィナーレへ突入。大詰では……皆さん、覚悟してくださいね。大変なことが起こります(本当)。衝撃とともに湧き上がるのは、怒りか、哀しみか、それともーー目撃者となった初日の観客席の顔、顔、顔。その一つひとつに、独自の表情が浮かんでいました。きっとそれは、舞台上にいる座長をはじめとするキャストの面々からも見えたはずです。

 かくしてたどり着いた終幕、そしてカーテンコール。バンドの演奏に乗って次々と現れるキャストに、客席からは惜しみない拍手が送られました。それとともに煌々ときらめくペンライトの灯、その波が、感動をダイレクトにステージへと伝えています。
 勢揃いし、座長の合図で上手、下手、そして正面へ深々と礼。顔を上げた座長は、そこではじめてホッと頬を緩め、美貌の中川大志さんに戻りました。この瞬間がたまらないっ!
 二度目のカーテンコールでは、場内は総立ちに。満場のスタンディング・オベーションに笑顔で手を振り、一階席、二階席、そして三階席を手メガネ(なんていうんですかね? 手で双眼鏡を作って覗き込む仕草)で覗き込んで手を振り、最後に上手の裾でお辞儀をしたのち、小さくガッツポーズを決めた座長。《いいじゃないか……上出来だ!》冒頭で定が桜木の容貌に向けて放った言葉が、思わず脳裏に蘇ります。
 素晴らしいデビューステージの余韻をかみしめるように、その名残を惜しむかのように、客席を埋めたお客さまからの拍手はいつまでも鳴り止みませんでした。

 初日の公演を見届けることは、大きな船の出航を見送るのに似ています。どうか航海が愉快なものになりますように、そして輝かしい収穫とともに無事に戻ってきてくれますように……(なんてことを書いていると、登場人物のある人から「たとえ話ばかりで分かりにくい!」と叱られそう)。このご時世、思いはなおさらつのります。
 でも、たとえひとときでも、観客は間違いなくその船の乗組員の一員。そしてこの船は、実に乗りがいのある船なのです。これだけのめくるめくお芝居と歌、豊潤な物語に酔いしれることができるのですから……。
 ということで、予定文字数を大幅に超過したまま、初日レポートはこれにて幕、とさせていただきます。目配りが足らなかった点は、ぜひ、お客さまご自身が劇場で発見し、見届けてください。劇場は連日、万全の安全対策を講じて皆さまのお越しをお待ちしております!


TEXT:大谷道子 撮影:田中亜紀

ページトップへ